秦楽記
-
河童と治水
河童駒引と呼ばれる、河童が馬を水中へ引き込もうとする伝承。石田英一郎はこの伝承がユーラシア大陸に広くゆるやかに分布することを示した。しかし、この伝承の起源はもっと集約的な一点、すなわち古代の河川灌漑工事にフォーカスできるかもしれない。
8 分で読める - 2019年12月25日 -
大和のヨルムンガンド
自らの尾を噛んで閉じた円環をなすウロボロス。 最大のウロボロスは、世界(ミッドガルド=中つ国)を取り巻くヨルムンガンドだろう。北欧神話の巨大な蛇で、世界の終わり(ラグナロク)のとき、陸に侵攻し津波を起こす、と語られる。 そのヨルムンガンドを奈良(大和)で見つけた、という妙な話をひとつ。
7 分で読める - 2019年08月15日 -
野生の奈良−御綱さまとの出会い
法隆寺に行くつもりだった奈良旅行。しかし、いつの間にか、いつものように、魔界へ迷いこむことに。そしてついに、雌雄の巨大な神蛇が交尾する現場を目撃してしまうのであった。
9 分で読める - 2019年07月12日 -
蛇蟹合戦―仏教説話に秦神話を読む
京都府木津川市の蟹満寺の伝わる「蟹の恩返し」。この説話もまた、秦に関わる神話。秦氏の故郷である奈良・蛇穴の野口神社の役行者にまつわる説話や、秦氏の築いた茨田堤に近い馬甘を舞台にした今昔物語集「蛇に嫁ぎし女を医師治せる話」をめぐり、秦神話のプロトタイプを探っていく。
8 分で読める - 2017年04月01日 -
矢に触れて雷神の子を生む話−賀茂と秦の交点
賀茂氏と秦氏。平安京以前から京都(山城)の代表的氏族だった両者の関係を、矢に触れることで雷神の子を生む伝説から探る。賀茂と秦はもともと奈良の葛城を本拠地とする氏族であったこと。
4 分で読める - 2017年03月13日